2011-09-28

広島

広島へ行ってきました。
初広島です。

訪ねたのは宮島と広島市内。

広島を選んだ理由は、原爆ドームを見たかったのと、原爆資料館へ行くべきだとずっと思っていたのに怖がって行ってなかったからです。

私は2006年にクロアチアへ公演のため1ヶ月ほど滞在をしました。
町中はとても穏やかでしたが、クロアチアはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を1995年に終えたところで、家の壁、特に窓やドア付近での激しく打ち込まれた銃弾の跡は生々しく、
戦争を語る私の友人の目には光るものもありました。

そんなクロアチア滞在の6月、リエカ市市役所前ではイベントが開催されており、司会者を真ん中に子供達が歓声を上げていたので、「何のイベント?」と友人に聞くと
「あれはどの小学校が折り鶴を一番たくさん折ったかのコンペティションをして、発表をしているんだよ。小学生達が折った鶴は、広島へ送られるんだ」
と、言いました。

戦争を体験した彼らは広島をとても身近に感じているのに、日本人の私は知ろうともしていない。

その2006年の体験以降、灯篭流しや慰霊祭、そういったイベントにはなるべく行くようにしたり、戦争に関してのドキュメントを見たり、触れようと思ってはいるものの・・・
資料館に行く勇気が出ず、気づけばあれからもう5年。

そして先日、やっと行ってきました。

そこで目にしたものは、なんで広島という場所が選ばれたかといった歴史や、当時の状況が再現された模型、お米が真っ黒になったお弁当箱、爆風で破れた服、写真、絵、被爆者の生命の記録ビデオ、、、
一つ一つに説明が実名を伴って展示されており、話に聞いていただけの戦争がビジュアルとして飛び込んできました。

全部ショッキングです。
目をそらしたいけど、説明文を読まずにはいられない。
「戦争を知らない」では許されない事ばかりでした。

「原爆を投下後75年は植物は生えない」と言われていた地に、力強く咲いている花の写真を見、資料館を後にしました。

目の前は緑に囲まれた平和記念公園。
終戦から68年。

一緒に資料館へ入ってくれた友人の一言は、

「緑ってすごいな」


今まで見ることを怖がっていた資料館でしたが、
今戦争が日本には無いこと、マイムを続けられていること、周りに家族や友人がいること、
色んな「普通」の事が愛おしく、そして68年前の姿を知れてよかったと思えました。